農作業の中でも労働負荷の大きい防除作業ですが、
- 作業時間の長さ:
防除作業は、従来方法では多くの時間を要します。例えば、慣行防除では10アール当たり0.95時間必要とされています。 - 労働強度:
セット動噴を使用する場合、ホースを引っ張って歩く必要があり身体的な疲労度は高くなります。 - 作業の重要性:
病害虫の防除は収量や品質に直接影響するため、適切なタイミングで実施する必要があり、精神的な負担も大きくなります。 - 健康リスク:
農薬散布作業は、直接的な被曝リスクがあるため、作業者の健康への配慮が必要です。
近年、農薬散布ドローンの導入により、作業時間が平均で81%短縮されたと言われています。
令和6年のドローンの活用状況のまとめ(出典:農水省)

作業負荷が軽減できるデジタルの力は、普及が早い様です。
とても便利なものですが、問題がないかと言えば、ある様です。
- 初期投資もありますが毎年の保守費用が必要でランニングコストが増えます。
- 操作には、技術訓練と共に最低限のIT知識が必要で、法的手続きも必要です。
- 農薬の積載量に制限があるため、大規模農地では頻繁な補充が必要となり作業効率が低下。
- 悪天候や強風時にはドローンの安定性が低下し散布のタイミングが難しい。
- 風向きと飛行時ドリフトが重なって、近隣の、無農薬耕作地に噴霧してしまうトラブルも発生。
色々あるようですが、メリットも大きい事もあるようです。
で、様々な理由からドローンが飛べない圃場に対して、期待されるのが「自動走行噴霧機」
果実園は勿論のこと、畑地露路圃場にも威力を発揮します。


車の自動運転の普及と共に、農機具にも自動操舵の流れが来ています。
特に、トラクター向けのGNSS自動操舵システムが人気を集めています。

この衛星航法を使ったGNSS自動操舵の技術を、自走式の噴霧機に搭載しています、
オプションのGNSSベースステーションの設置で精密測位制御運転も行えます。

「ABライン走行」で自動操舵を実現
この受信機でGNSS衛星群の電波を受信して位置情報を得ています、一度、操縦リモコンを使って作業ルートを移動し憶え込ませると、次回以降は、走行した軌跡データとGNSSデータを比較しながら、走行位置を割り出して、自動操舵しながらコースを巡回する事が出来ます。
夜間モードがあるので、圃場が真っ暗な夜間でも噴霧作業が継続して行えます。
自動運転噴霧機の導入メリット
1. 労働時間の削減と効率化
労働時間を大幅に削減し、他の作業に時間を割くことができる。
夜間や早朝など人の作業が困難な時間帯でも作業が可能で作業効率が向上する。
2. 人手不足への対応
農業従事者の人手不足の中、自動運転技術は人手不足を補う有効な手段となる。
熟練した作業員がいなくても、設定された正確な噴霧作業が行える。
3. 精密な作業と品質向上
噴霧量の均一化や正確な散布が可能になる。
生育状況や病害虫の発生状況に合わせて、最適な噴霧作業を行い品質向上につながる。
農薬などの使用量を最適化でき環境負荷の低減にも繋がる。
4. 安全性の向上
農薬散布の危険な被曝から作業員を守り安全性を向上させる。
悪天候や視界不良時でも安全に作業を行える。
5. コスト削減
労働時間の削減や農薬の適正使用により、コスト削減に繋がる。
以下のリンクから動画をご覧になれます。
https://qrcd.org/8HPB
そのコース取りを、更に正確に(精度2.5cm以内)に走行させたい場合は、もう一台のGNSS基準局を設置して、RTK(Real Time Kinematic)走行で行う事ができ、複雑に走行させたい場合に利用します。

操作は、リモコンで行うと説明しましたが、スマートフォンでも専用アプリをインストールすることで、同じ操作が行え、走行マップを画面に表示させる事も出来ます。

スマートフォンのアプリでは、走行マップの表示が行えて、複数の走行パターンを選び、自動操舵で噴霧作業を行う事が出来ます。
自走式自動運転スプレイヤーを詳しく見てみましょう
大きさは、長さが2.2m 幅が1.2m 高さは1m のサイズで、重さは 450kg
接地面積の広いクローラー仕様ですが、本体の重さが傾斜面や悪路の走行性能を高めます。
噴霧を拡散するファンのブレードは 直径400mm で、1.2kwの強力モーターで駆動します。

エンジンは、走行や制御に電動モーター、噴霧圧力ポンプにガソリンエンジンが搭載されています。
重要な、噴霧機能については、タンク容量300リットルで、毎分8リットルを6-8個のノズルから噴霧します、尚、タンク容量の追加積載可能です。

自動運転での安全性ですが、フロントのバンパーに接触があると自動停止します。

自走式自動運転スプレイヤーを多目的に利用する。
オプションの追加で、周囲の状況を検知するAIカメラを搭載する事も可能で、作業の安全を高めると共に、動物等の侵入を検知して警報や撃退を行う、機能拡張を見込んでいます。
将来的に、自動運転機能を活かす為、牽引フックを増設して運搬パレット台車を引いて収穫物の圃場内移動が自動運転で行えますので、収穫物をトラックの止まる位置まで無人で運ぶ機能アップを目指しています。

如何でしたでしょうか、農作業でも労働負荷の大きい噴霧作業の負担を減らし、
効率を高めて耕作面積を広げての、収益アップをお手伝いして参ります。
お問い合わせは、
日本農林資源開発 代表 中村まで
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