日本の農業の高齢化に伴う廃業による耕作放棄地の増加は、深刻な問題として取り上げられています。耕作放棄地が増えることで雑草や灌木に覆われ、害虫の発生による被害や、山の動物の生息域が広がり人里まで降りて来て農作物への被害が拡大するなど、農家や行政が抱える大きな課題です。
耕作放棄地の増加とその影響
- 生態系の変化
- 放棄地に繁茂する雑草や灌木が、シカ・イノシシ・サルなどの隠れ家や餌場となり生息域の拡大と生息数の増加に繋がっている。
- 群馬県の調査では、放棄地周辺の獣害発生率は耕作地の3倍以上というデータもある。
- 雑草の放置は、すぐに害虫が発生する。蛾の幼虫など植物を食い荒らす昆虫やアブラムシ類やカメムシ類の害虫が大量発生し、近隣の田畑に飛んで害虫被害が広がる。
- 経済的損失
- 2022年度の全国獣害被害額は約158億円(農林水産省)。特に中山間地域では収穫の30%以上が被害に遭うケースもある。
- 二次的リスク
- クマの里山下降(2023年度の人身事故件数は過去10年で最高)。
- イノシシによる交通事故(長野県では年間200件超)。
耕作放棄地の雑草刈りの効果に着目
1番の理由は、比較的すぐに実施出来て効果が高いことが挙げられる、雑草を刈ることが一定の効果をもたらす結果が出ているが、全ての場所で行えないので優先的実施エリアの選定は重要です。
■ 期待できる効果
- 生息環境の悪化
草刈りで隠れ家を減少させ、動物の居住適性を低下(環境省研究で、草刈り実施地域でイノシシの出没率47%減した)。 - 餌資源の削減
雑草の実や根茎を除去することで、動物の栄養源を断つ(ただし完全な対策にはならない)。 - 心理的抑止
人の管理が行き届いているという信号になり、動物の警戒心を喚起出来る。
■ 注意点と限界
- 持続性の問題
- 年2~3回の刈り取りが必要(NPO法人「里山保全ネットワーク」の実績)。
- 1回限りの実施では逆に柔らかい新芽が動物を誘引するリスク。
- 補完対策の必要性
- 草刈り単体では不十分。金網柵(電気柵よりメンテナンスが容易)や忌避剤の併用が有効。
- 地域ぐるみの対策(広域防護柵の設置など)が必要。
- コスト対効果
- 1haあたりの草刈り費用は年額15~30万円が見積られている。獣害防止効果を考慮した場合、5年継続で初めて投資回収可能との試算(JA全農調査)。
<効果を高めるための提案>
- スマート管理の導入
- ドローンによる草生モニタリング(熱海市の事例では管理コスト40%削減)。
- 山羊の放牧による活用(長崎県雲仙市では20頭で5haを管理)。
- 新たな土地利用
- ソーラーシェアリング(営農型太陽光)による作物栽培。
- 薬用植物栽培(例:サフランは獣が忌避する特性あり)。
- 地域連携システム
- 都市住民の援農プログラム(横浜市の「ふるさとサポーター」制度)。
- 企業のCSR活動との連携(大阪の事例では企業ボランティアが10haを管理)。
<成功事例>
・岐阜県郡上市
5年間の継続的草刈りと緩衝地帯の設定で、サル被害を78%減少した。
地域の「草刈りデー」を年4回設定。
・静岡県伊豆市
放棄地をブルーベリー園に転換。収益作物で獣害も減少(電気柵との併用)した。
低コストで手間の掛からない草刈機の導入が決め手
電動式で運用コストが安い、GNSS自動運転で人手を劇的に減らす、低価格をシェアして負担低減
主刈り刃(800mm)に加えて、首振り円盤形の副刈り刃(520mm)で木の下も刈る。
なんと言ってもGNSS自動運転機能が便利、一度、リモコン(スマートフォンでも可能)で刈り取りのコースを決めると、2回目以降は、宇宙の衛星からの信号を受信して設定したコースを自動操舵して何度でも刈り取ってくれますので、従来のラジコン型の草刈機のように毎回毎回操縦する必要はありません。
「人手不足解消です。」
これならば、ベテランでなくとも草刈り場所を間違える事なく完璧な作業が行えますね。


詳細は、日本農林資源開発まで、お問い合わせ下さい。
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