小規模農業、高齢化、担い手不足などの課題が重なる日本の農業の現場ですが、
今、デジタル化が浸透しAIが使われ始め、全産業にデジタルによる変革の風が吹いており、
当然ながら、農業においても、デジタル化による変革の波が近づいている。
昨年からの米価高騰問題で、新しい小泉農相が「減反政策の見直しへの」発言があり、
これからは、「作れ、作れ」の新しい農業政策に切り替わる時かも知れない。
余れば輸出すれば良いのです、東南アジアのある国では、日本産米は地元産米の10倍以上の価格で販売されている事を知らなければなりません。
減反政策が見直されても、小規模農業、高齢化、担い手不足の状況が劇的に変わるはずもなく、儲かる農業に転換して行かないと若い担い手が増えては行かないでしょう、稲作で儲かる農家に成るには、大規模農業での機械化が手段となる。
しかしながら、フラットで機械化し易い大規模圃場は、北海道、鹿児島、秋田の一部で、国土の7割が中山間地域の我が国の圃場は、傾斜と変形もあり大判1枚田にし難い現実がある、耕作放棄地とは言え地権者との調整も必要、水利権の課題など、単純には進まない状況にある。
ただ、ここにきて、年々増える耕作放棄地の数々の問題を解決する為、再生の動きや、行政の地権者調整の動きなど、広い圃場を確保できる流れが来ている。
デジタル技術は、農機具の自動化を進展させて労働負担を軽減し、IoTセンサーや衛星を使った圃場のデジタル可視化と管理ツールの提供サービスも増え農業の効率経営が見えてきた。
農業技術ノウハウについても、農研機構のWAGRIデータサービスから、デジタル&AI技術でノウハウを抽出できる環境も整ってきた。

これらの農業とデジタルの環境変化を鑑みて、デジタルに親和性のある農法を選択することによって、
高い効率で農業経営が行える形が見えてきた。
私たちが選択したのは、「乾田直播」(かんでんちょくはん)栽培農法
乾田直播、簡単に言うと、乾いた圃場に直接種を撒く方法で田植えがない。
代掻きを行い圃場の均平化を行い田植えを行うまでの作業が無くなり、
水の節約と共に、労働負荷を30%〜低減できる。
自動農機具やドローンの導入で、労働時間が劇的に減少することも分かっている。

今、なぜ乾田直播かと言えば
労働力不足への対応:代掻き、育苗、田植え、が不要なため、大幅な省力化が可能
水資源の有効活用:乾田で、初期の水使用量が少なく、水資源の節約に貢献
コスト削減:育苗資材や移植機械のコスト、田植えのコストが削減でき、経営効率の向上につながる
スマート農業との親和性:自動操舵、自動播種機、ドローン散布等、デジタルとの組み合わせが容易
規模拡大の可能性:デジタル化で作業効率とノウハウが高まり、大規模経営への移行が容易になる
気候変動への適応:乾田直播は干ばつなどの気象変動に対する耐性が高いとされている

乾田直播で、できたお米は美味しいの?
選定される品種は、移植栽培に比べ生育期間が長いことから、生育の早 い「コシヒカリ」、「キヌヒカリ」、「彩のきずな」等の中生品種が適している。 中で も、「彩のきずな」は、他に比べ耐倒伏性が高く、栽培性に優れ、食味も良好で あるため、選定し易いが、高温多湿地、寒冷地など、他の要素の見当も必要になる。

課題はないの?乾田直播
「あります。」
なんと言っても、雑草管理の困難さが指摘されている。「雑草との戦いだ」
乾田期間が長いため、移植栽培よりも雑草が発生しやすく、除草剤の選択や散布時期などが難しい
・種子消毒剤・粉衣
・土壌処理除草剤(マーシェット乳剤など)
・茎葉処理除草剤(ノミニー液剤、クリンチャーバスME液剤など)
・中期一発除草剤(アクシズMX粒剤など)
これこそ散布タイミングも含めて、デジタルセンサーとAI分析が生きてくる。
乾田での散布は、一律のドローン散布ではなく、位置を細かく管理しながら行うブーム型散布機の散布が一般的で、これもAIとデジタル制御により、タイミングも含めて最適化散布を可能にする。
土壌診断も大切な項目です、適切な施肥計画を設計する、勿論、これデジタルセンサーで管理する。
水を張ってためる湛水(たんすい)の時期に、漏水しない様に漏水対策を施工、これもデジタルセンサーで詳細に管理できる為、大規模の圃場でもムラなく管理でき、収量の増加が見込める。
また、病害虫被害の低減にも、デジタルセンサーとAI分析が生きてくる事は間違いない。

作業の農機具は、自動化を積極的に


殆どの作業が、トラクターに各作業専用アタッチメントを取り付けての作業になる、トラクターを衛星航法の自動操舵とすることで、一人で複数台のトラクターの管理が行え、乗務による労働負担は減る。

基本的な注意事項として
圃場の選定: 水管理が容易で排水のよい壌土や砂壌土が適しているが、漏水田は避ける。一 般に減水 深2cm以上の水田では畦シートや畦塗りなど漏水対策が必要である。湿田や半湿 田では土 壌が乾きにくいため、明渠や暗渠などの排水対策を講じておく。 また、雑草多発 田での栽培は避けた方がよい。
圃場の均平化: 均平でない圃場では、田面が高く水面から出やすい部分は雑草が生えやすく、 低く水たまりが残る部分では飼料用稲の苗立ちが悪くなる。圃場の凹凸が大きい場合は、レ ーザーレベラーで均平化を図る。
播種時の圃場条件 :播種時に土壌水分が低く、砕 土率が高くなると発芽率も向上するため、 播種時の圃場の砕土 状態は粒径2cm以下の土塊が 70%以上になるようにする。 播種時の 土壌水分が高いと、 耕起、浅耕作業に支障をきたし、 大きな土塊が生じて発芽率の低下を 招く。そのため、播種時に圃場が乾き易いように、収穫後には次作に向けて明渠を設置して おく、暗渠の出口を空けておくなどの作業が必要である。
まだまだ書き入れないほど、乾田直播栽培は、移植栽培にはない技術的勘所がある、だから面白い
Digital乾田直播栽培は、間違いなく労働負荷が減るので、広い耕作面積を受け持つことが出来る。
移植栽培の様に、収穫量が安定しないとも言われいるが、AIでノウハウを分析改善すれば必ず安定する

節水型乾田直播栽培で、中山間地域でも機械化
節水型乾田直播栽培では、出芽後の圃場への入水を行わない。
これにより、以下の特長が出てきます
・節水型乾田直播では土壌表面が乾燥しやすく、雑草の発生が促進される可能性がある。
・水管理が不要なため、傾斜地や排水不良地でも自動化農機具が導入できる。(中間山地域)
・雑草との競合が激化すると、苗の初期生育が阻害され、収量低下リスクが高まる。
・VA菌根菌資材+ビール酵母などの添加により、収量を増やすエビデンスもある。
農業政策の転換点の今、儲かる農業を一緒に実践して頂きたい。
令和の米騒動:小泉農相が語る農業政策

(イメージをクリックするとYoutubeにリンクします)
部会長を経験されているので、現状の農業の課題をよくご存知でした、
前向きの意見を聞いて、これから農業を後押しする立場から安心しました。
デジタル人間が、農家さんと一緒に活躍出来る下地を作って行きたい。
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